
NO SENTIMENTALISM, NO ROMANTICISM, NO EMOTION. ONLY ARE RELATIONSHIPS THERE.
今日の写真は毎日夕暮れ時に眺めるラウンジ正面の風景です。
ペンション(兼自宅)のラウンジの窓は高さ6メートルの吹き抜けの全面がガラス窓になっているので居ながらにして空まで見上げることができます。
ペンションを初めて良かったなあと思うことのひとつにこのことがあります。
目の前に白樺の巨木があって四季折々の美しい風景を演出してくれる。この樹がある限りわたしも頑張ろうと思うことができます。
目の前の谷を隔ててすぐ向こう側は蓼科山(標高2530m)です。わたしは標高1700mのこの窓から蓼科山と23年間、毎朝挨拶を交わしては元気をもらって頑張ってくることができました。
どちらもとても不思議な存在です。だって、相手はひとではなくて樹とか山岳なんですから。
夕暮れ時です。西に傾いた太陽の光が真っ赤に変わっていきます。
このラウンジで夕暮れ1時間ほど前から好きな本を読むのが日課になっています。
(ここ数日同じような事を書きますが、そのときに感じたり思ったことをブログ記事にしているのであしからずご容赦下さい。)
ここで過ごしている時間、何を考えたりどのような思いが去来するのかと聞かれても答えに窮することにいま気づきます。
ほとんど何も考えていない、というのが正直な答えかも知れません。
いま読んでいる村上春樹の「走ることについて語るときに僕の語ること」というエッセイでも語られていたことだけれど、自分なりに言葉を選ぶとこんなことかも知れません;
ここでぼーっとしたり音楽を聴いたり本を読んでいるとき、わたしはいわば「空(そら)」のようなものになっている。たまに「雲」がやって来ては去って行く、それぞれの雲に何かを感じることもあればそれをきっかけにして何かを思うこともある。しかし、総体としてわたしは空っぽの空間としての空(そら)である。
空(そら)は観念とか概念としては実体があるはずのものだけれど、同様に、じつは実体が無いともいえる。あるのだけれど、つかみどころがないというか、それはただの「空(そら)」なのだ。
空(くう)と空(そら)。同じ字を書くのに読み方とそれが指し示すものはまったく違うように思ってきた。でも、きょうそんなことを考えていたら、いやそうじゃないんだ、同じものなんだと思ったのだった。
「空(くう)」のメタファーとして「空(そら)」ほど相応しいものは無い。
空をよぎる雲はさしずめ「空(くう)」であるところのわたしの心(意識、精神)をよぎる「想念(そうねん)」なのだといえる。
空(そら)は空(そら)をよぎっていく雲のことを忘れてしまう。
去ってしまった雲にこだわらない、何かを感じたり思ったりしたとしてもそれを手放してしまう。
それはとても正しい有り様だとわたしは思うのだ。
「その想いを手放すのだ!」というのは悟りを開いた権者がたびたび口にする言葉だけれど、じつにそのとおりなのだ。
わたしが「いま・ここに・ある・わたし」であるためには、過ぎた想念を忘れ捨て去らなければ「いま」ではなく「過去」や「未来」に捕らわれてにっちもさっちもいかなくなってしまう。
なんていうことをいま言葉に置き換えてみたのですが、まあそれに近いことを思ったということを記憶から引っ張り出すことができました。
しかし、そのときには「いま」だけしかありませんでした。
「いま」が「いま」であるという意識すら無い時の無い世界です。
わたしはそこに居て同時にそこには居ない。そんな不思議な感覚です。
そういう意味で、夕暮れ時にラウンジで過ごすひとときはわたしにとって瞑想にも似たルーティンになっています。
蓼科高原のきょうの天気は終日晴れ。最高気温は16℃、朝の最低気温は6℃でした。ようやく平年波の気候になったようです。これまでは気温が低すぎましたね。
いずれにしても爽快な風、野鳥の歌声、新緑の燦めき… うとっとりするようなじつに心地よい季節です。
蓼科高原のレンゲツツジの群生地はもう見ごろにはいっています。車山高原とか霧ヶ峰高原でググれば様子が写真掲載されています。もちろんFacebookにもたくさんの写真が載っていますよ。
わたしも早々に写真を撮りに行こうと思っています。
一度観たらやみつきになること間違い無しの独特の美しい風景がそこにあります。
蓼科はどこに行くにもちょうど良い距離にあるいま流行の「ハブ空港」のような存在だと思います。蓼科で心身を休め、ここを起点にして様々な観光地や山歩きやその他の活動に出かける、その基地として最適の立地なのです。
皆様のお越しをお待ちしております。
ペンション・サンセット オーナー 拝
今日の写真:「tateshina 170605」
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Sony α7, Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 MC VM + Voigtlander VM-E Close Focus Adapter