わたしは写真を撮ることが好きだ。
でもどうなのだろう、写真好きでもなければ、飛び抜けてカメラ好きというのでもない。いわゆる「写真愛好家」でもないし コンテスト入賞を目指すフォトグラファーでもない。
母方の祖父が写真館を営んでいたこともあって、物心ついたときからカメラやフィルムや現像機材が身の回りにゴロゴロしていたことと関係があるのかも知れない。
小学生の頃から暗室に入って現像・焼き付けを手伝って小遣いをせしめることを思いついたから、いったい何十万枚という写真プリントに立ち会ってきたことだろう。
だからこそ反対に成長するにしたがって写真から遠ざかったのかも知れない。とくにこれといって写真に興味を持つにはあまりにも近い存在だったのかも知れない。
そして1994年、生業のペンションのホームページを自作する必要から当時のEPSON CP-100という35万画素のデジカメで写真を撮り始めたのが写真との再会ではあった。Adobe Photoshopとの出会いもその頃だった。
それまでもコンタックスやライカに興味を持って多少趣味的にカメラをいじったことはあったけれどそれは多分にスノッブな関わり方だったように思う。
そしてそれから20年近く経過してFacebookの時代がやって来た。そこである方とであったことがわたしの写真熱に火を付けたように思われる。
「写真表現」というものに出会ったと言い換えても良い。
私のような者でも自分なりのレベルに応じてなんらかの表現を目指すことが出来る世界と出会うことが出来たのだった。
それは長らくあきらめていたことでもあったから、以来「歓びのある精進」の日々である。そこから何かを受け取っている実感があるし、一歩一歩ではあるけれどゆっくりとした進歩も実感している。
これは素晴らしいことじゃないかって思っている。
今日の写真はペンション・サンセットの駐車場から空を見上げて撮った1枚。こうした仄暗い時間帯に撮るのが好きだ。いまだに何がそうさせるのかはわからないのだけれど。