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  • 執筆者の写真Masayuki Kano

冬のセミ時雨 December 8, 2020


雪の季節を迎えるの蓼科高原標高1700メートル
初雪・初積雪の蓼科高原標高1700メートル

2020/12/08

 

未明にセミ時雨を聴いて目覚めた。もちろんこんな季節にセミは鳴かない。そんなことは百も承知だ。しかし眠りの深海から覚醒の水面に向かう間にもわたしはセミ時雨を聴いていた。おびただしい数のセミが森中でわめくように泣き叫んでいるのだ。雪の降りしきるときには世界の終わりのように静寂が支配する。だからわたしの持病の耳鳴りがそのように拡声器に繋いだように巨大な反響となって聞こえるのだ。そのことを知っていても、雪降る朝には同じことが繰り返される。そのような季節がもうやって来る時節だ。8年前、私は人気のない山の中でそのようにひとりぼっちだった。しかしいまは違う。

20181208-DSCF6852-2

FUJIFILM X-E3, FUJINON XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS


★★★

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