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パルのこと アーカイブ

2006年08月22日

3475 避暑地の夏の終わり

晴れのち曇り 気温:最低 14℃/最高 22℃

天気は曇りというべきなのだろうか、しかし見上げれば白い雲と青空がそこにあり、とうとうと流れてゆく。スポットライトのような陽光が森のそこここに降り注ぎ、そんな情景を見ているうちに晴れなのか曇りなのかわからなくなってくる。

風はひんやりと冷たいが、日差しのもとではじりじりと熱い。しかし大地のこの絶対温度の低下は季節が決定的に秋に向かっていることを示す証拠に違いない。ざわざわと生育し続けてきた樹木や草花もその勢いを止めて静かに結実の季節に向かい始めている。

森の所々では気の早い樹木が紅葉を始めている。ウルシは黄葉し、ナナカマドは蛍光オレンジの紅葉とともに真っ赤な実を付ける。コスモスが咲き乱れ、アキアカネ(赤とんぼ)が飛び交い、じつに秋の様相を呈してきた。

街でも同じような季節の変化を感じることができる。空の色が秋色に変わり、炎天下にクルマを止めておいてもさほど室内気温が上がらなくなった。吹き抜ける風はもはや熱風ではなく、ひんやりとしたまるで夏の終わりの海辺に夕暮れ時吹く風のようだ。ただ潮の香りがしないところだけが異なる。

心地よく気だるいこの気分は、灼熱の夏の思い出、命を燃やす季節の終焉を告げる。夏の終わりは海辺でも山でも同じ、祭りのあとのような静寂と若干の寂しさに胸がきゅんとなる季節だ。特に蓼科のような避暑地の夏の終わりの味わいは格別だ。

さまざまな色彩がより鮮明に目に映るようになり、さまざまな音がやわらかくまろやかに響くようになる。しっとりとした大気に心身がいやされる。きっと光の波長が変わり、大気の密度が変化するせいなのだろう。

この季節のビーナスラインを走るとそんな季節の微妙でいながら劇的な変化をはっきりと見て取ることができる。僕が個人的にドライブやツーリングにこの季節を推奨するのはそのような理由からだ。

今日も静かに日が暮れて、群青色の夜がやって来た。いまは曇っていても夜露が落ちきる深夜には満天の星を望むことができる。その美しさ、壮大さには言葉を失う。だからこの季節は昼間よりも夜の方が好きになる。漆黒の闇のように見えても実は充分な光があるものだ。ああこれが星明かりというものなのだと気づく。

シベリアンハスキーのパルとの深夜の散歩。僕はLEDのハンディーライトを持参するが、ほとんど使用しないで歩くことができるようになった。十分目を慣らせば暗闇に含まれるほのかな光を頼りになんら支障なく活動できることを知る。

闇はじつにさまざまな気配と存在に満ちている。それを感じながら歩くのは新鮮な体験だ。恐ろしさは感じない、濃密な自然の気配を感じることは快感ですらある。見えない分だけひとは感じることができるのだろう。

蓼科には「残暑」というものはそもそも存在しない。このまますっと秋になるのだ。今年の蓼科の夏はとても短かった。個人的にはそんな感慨にふけっている。

2006年08月26日

3479 人生とは好きになった場所で...

曇りのち雨 気温:最低 14℃/最高 19℃

今日も夕立があったが、雷鳴は聞かれなかった。雨の降り方も夕立らしからぬおとなしいものだった。やはり夏は(少なくともそのピークは)過ぎ去ってしまったのだ。一時小やみになったものの、雨は再び降り始めた。

深夜、ピラタスの丘はすっかり雨雲の中にはいっている。濃密な霧のような水蒸気があたり一面に立ちこめている。いや正確に言うなら、霧のように雲の粒子が漂っていると言ったほうがいい。雨もいまは霧雨といったほうがいいかもしれない。

LEDのハンドライトの光も5m程しか届かずに真っ白な空間に拡散してしまう。そんななか、シベリアンハスキーのパル(愛犬)と散歩に行ってきた。彼は全天候型の犬だから土砂降りだろうが猛吹雪だろうが関係ないのだ。突き合わされる人間の方が大変だが、それだけに新たな発見も多い。

彼がいなかったらこんな天気の深夜に外を出歩くなんてあり得ないものね。都会から来たひとなら、この真っ白な霧に閉ざされた闇の世界におののくかも知れない。闇の中に息づくさまざまな気配に、もののけを感じて背筋が寒くなって逃げ帰ってくるかも知れない。僕らはすっかりなじんでしまっているから平気だけれど。

闇のそこここから秋の虫の音が聞こえてくる。ルルルルルルルル、ツイーッツイーッ、ジィイイイ、コロコロコロコロ、とさまざまな虫の音が微かに静寂の中の耳鳴りのように聞こえてくる。霧は地上から沸き立ち、雲は上空から吹き下ろしてくるのだ。だからこれは「雲」だと僕らにはわかる。濃密な雲の中を歩く気分はまた格別だ。こればかりは体験したものにしかわからない。

こんなときいちばん心を乱す音はなんの音だか知っているだろうか。そうだ、人間の立てる音だ、話し声とか、笑い声とか、騒ぐ声とか、いや人間の気配そのものがこの静謐に満ちた闇をかき乱す最大の要因なのだ。自然と同調できていない人間はそのような場違いな音を立てるものだから、それはそれでしょうがないのだけれど。

パルと二人で歩くことができるのはあとなん百日だろう。あと何年彼とともに暮らすことができるだろう。どうして犬は人間に比べてこんなにも短命に定められているのだろう。それを思うと胸が締めつけられる思いだ。

《人生とは好きになった場所で、好きなひとやものや犬とともに暮らすことだ。》

ある作家がそんなことを言っていたのを思い出す。そうなんだ、そのとおりなんだ。そのとおりだと思ったから、そうだと確信したから僕はこの地に移り住んだのだ。そんなささやかな望みすらかなえるのが難しい時代になった。いや昔からそれは変わりなくその通りだったのかも知れない。

僕のように《世捨て人》にならなければそれは実現できないのかも知れない。地位も名誉もささやかな自尊心も捨てて、ひとりの人間として、個人として、なんの肩書きも無いただのひととして僕はこの地へとやってきたのだった。

僕は信じられないほど軽やかになった。限りなく自由になった。こここそが自分の居場所だと確信できた。それはいまも変わりない。そして高給取りのビジネスマン時代に比べたらとても貧乏になり、もしかしたら妻や子供を不幸にしたかもしれない。そのことを考えるとやり切れなくなる。彼らはどう思っているのだろうか、訊いたとしても本当の気持ちを語ることは無いだろうしね。

もし彼らがこのことで不自由を感じていたならば僕の死によって彼らは解放されることになる。僕はあまり長生きすべきでは無いのかも知れない。

2006年08月28日

3481 「ペンション犬」も楽じゃない

曇り 気温:最低 12℃/最高 19℃

今朝の最低気温は12℃、曇り空。たまにのぞく青空がものすごくきれいだ。雲はもうすっかり秋の雲に変わっている。風もまた秋風に違いない。陽射しが柔らかい。音がまろやかに響く。大気がしっとりと優しい。

静かだ、とても静かだ。まるで自分の耳が遠くなってしまったような錯覚に陥る。秋の虫の音が聞こえる。妻が雨音と間違えていたが、これはピラタスの丘に生息する秋の虫の音に違いない。日中、シベリアンハスキーのパル(愛犬)はぐっすりと眠っている。彼にとっての試練の季節は終わった。

生まれたときからこの静かな山岳地で暮らしてきたパルは、大勢のひとと出会うお盆休みがめっぽう苦手で疲れ果ててしまうのだ。お客様が少なくなったこの時節、彼は安心してゆっくりと惰眠をむさぼることが可能になったのだ。「ペンション犬」も楽じゃないのね。

残暑のまったく無い蓼科はとてもとてもいい季節になった。

それはそうと、お盆休み直前に8ポート・スイッチングハブ Corega SW08GTV2 を導入した。これはギガビット・イーサネットワークに対応したもので、これまで使っていたバッファローのいちばん安い5ポート・ハブ LSW-TX-5EP とは見るからにパーツのグレードが違う。じっさい、体感速度も少し上がった。

かつてのハイエンドオーディオマニアとしての経験から、電気・電子機器はまじめにつくられたものならばおのずと価格相応のパーツの差があり、価格相応の品質および品質感の差が出るものだ。性能はまた別の要素がからんでくるから一概にそうとは言えない部分はあるけれど。

いずれにしてもこれで3つのグローバルIPアドレスを接続機器の速度に合わせて最大限に利用できるようになった。

8月31日に工事を行ったあと、現在の2MB〜4MBの実測値の回線速度がおよそ20MB以上になる。まあ、すぐに慣れてしまって感激もそこそこだろうけれど、速度が速いことはさまざまな側面で、僕の場合、メリットがあるので早速そちらのサービスにグレードアップを申し込んだしだい。

当然ながらペンション・サンセットの無線LANもこれまでの最大4MB〜6MB程度の実測値から20MB以上( 802.11g 規格機器を使ったの場合)へとアップする。館内に2つあるアクセスポイントは互換性を重視して 802.11b および 802.11g 互換モードになっている。

客室でも、ダイニングラウンジでもどこでも快適に無線LAN接続でインターネットをご利用いただける。ただし、パソコンや無線LANカードの貸し出しは無いので、ご自身で持参していただく必要がある。

いつでもお申し出いただければ、その場でパスワードを発行しますので、是非ご利用いただければさいわいです。

2006年08月29日

3482 はくちょう座流星群

晴れ 気温:最低 11℃/最高 20℃

昨日よりさらに冷え込んだ朝になった。最低気温11℃、たった1℃しか違わなくてもずいぶん印象が違ったものになる。まごうかたなき秋の朝だ。空の色は秋の青、白い雲の秋の雲。吹く風にはすでに秋の香りが含まれている。

気の早いナナカマドはすでに紅葉して結実し、すでにそれを落とし終わっている。たらの木もタンニン色にその葉を変化させ、今日走った奥蓼科ではもっと多くの樹木が枝の先端を黄色く赤くと変化させ始めていた。

奥蓼科のメルヘン街道(国道299号線)を走り、ビーナスラインにはいり、ピラタスロープウエイを見上げると、何やら旅人の気分。自分が東京からやってきていまこのリゾートに到着したような新鮮な感動を覚えた。蓼科はやはり僕にとっての永遠のリゾートなのかも知れない。

「はくちょう座流星群」だろうか、星がよく流れる。標高1750mでは流星はほぼ地表と平行に流れるので、燃え尽きて流れる瞬間の光芒(こうぼう)が稲光のように鮮明に見える。それはまるで水面をよぎる魚影のようでもある。

用事を済ませて帰る途中見かけた、ピラタスの丘のメインストリートの脇でうずくまっていたタヌキはどうしているだろう。けがでもしていたのだろうか。

今日もシベリアンハスキーのパルと深夜の散歩を楽しんだ(というか、この時間にならないと彼にとって快適なほど充分気温が低くならない=15℃以下)。夜だいぶ冷え込むようになってきたのでずいぶん元気を取り戻したようで、かなりの急坂でもずんずん進んでいく。

人間でいえばもう60代を軽く超えているはずなのだが、ものすごく元気だ。何だか僕の前では無理をして往年の自分の元気さを見せてくれているような気がする。そんな無理をしなくてもいいのに。これが彼なりの愛情表現かと思うと胸がジーンとなる。

2006年08月31日

3484 ナイトハイク

晴れ 気温:最低 10℃/最高 20℃

午後10時半、シベリアンハスキーのパルと散歩に出る。森の小径を抜けて標高を50mほど上げたところで突然疾風にあおられる。出発した時からざわざわと音だけは聞こえていたのだけれど、それが風の音だとはすぐには気づかなかった。今夜はかなり強い風が吹いている。

風速5m〜10mほどの風が道に沿って吹き抜けていく。見上げれば高い樹木の先端が大きく揺れている。月齢6日の夜空は明るく、そのために星はあまり見えない。しかしピラタスの丘の道は真っ暗だ。ハンディーライトを消すと、ほとんどなにも見えなくなる。

とても寒く感じる。思わず裏地がメッシュのThe North Faceのウインドブレーカーの襟を立てる。ほんとうに「秋」がやってきたことを実感する。

僕はこのナイトハイクとでもいえる愛犬との散歩がとても好きだ。それはこのように季節をダイレクトに感じることができるからかも知れない。

以上は昨夜の出来事。


今日の天気は終日穏やかな晴れ。静かな静かな初秋の雰囲気に満ちているが、季節は「晩夏」だ。見上げれば夏の暑気と秋の涼気の行き合う「行合の空(ゆきあいのそら)」になっている。積雲の上に少し離れて巻積雲がひろがっている。ああ、秋なんだなあ。

夜、愛犬と散歩していると叢(くさむら)でコオロギが鳴いているのが聞こえる。昨日の夜もそうだったけれど、気温はお盆の頃と変わらないのにやたらに肌寒く感じる。これは身体が変化したのか、それとも大地が冷えたことによるものなのか。

今夜は星が見えない。上空に雲があり、ピラタスの丘じたいも密度の薄い雲に覆われているからだ。それはちょうど上空から霧が吹き下ろしてくるような感じに見える。ひんやりとした大気が心地よい。今夜の気温ももはや半袖ポロシャツ1枚では寒くて、ウインドブレーカーの襟を立ててちょうどいい。

日中は夏、朝晩は秋というこの季節感はあと半月ほど続く。ふたつの季節が行き合うとてもすてきな季節だ。この季節は蓼科のプレミアム・シーズンといえるかも知れない。おすすめだ。

★★★

予定通りあっというまに工事が終わって今日からペンション・サンセットのインターネット回線(CATV)の速度は20MB(実測)保証のものとなった。体感的にはあまり早くなったようには感じられないが、ファイルのアップロード、ダウンロード作業時や、ムービーなどを観るときにその速さを実感できる。

これまで月額4200円(税込)だった接続料金が月額5000円(税込)になるが、800円の差額が、それに見合った快適性・利便性をもたらすのかどうかはこれからの評価になる。まったく、10年前には28.8KBのモデムでも(それまでの14.4KBモデムに比べて)ものすごく速いと感じ、64KBのISDNになったときなんて「なんて速いんだ!」と感激したものなのに、人間というのはなににでもすぐになれてしまうものなんだ。

2006年09月01日

3485 ペンションという「場」

曇り一時雨のち晴れ 気温:最低 11℃/最高 18℃

午後遅い時間になるともはやクルマはエアコンではなくヒーターが入る。そんな気候になってきた。ピラタスの丘の今日の最高気温は18℃、曇り一時雨のち晴れという天気だった。陽射しはいっそう柔らかくなり、湿度がどんどん下がっている。そのぶん体感気温はお盆の頃より低く感じられる。

今日はダイニングラウンジでストーブに火を入れた。室温21℃で、ストーブを焚くほど気温が低かったわけではないが、きょうはお客様がいらっしゃるということもあってこの季節にぬくもりを楽しむという趣向で焚いたのだった。暖かさが気持ちよいという気候になったのだ。お盆明けからわずか10日でこの激変。いかにも蓼科らしい季節感だ。

午後10時04分、外はとても寒冷な風が吹いている。愛犬パルとの散歩はウインドブレーカー1舞い羽織るだけで大丈夫だろうか。一方、寒冷な気候が快適なシベリアンハスキーのパルは絶好調で、いつもより1時間も早くから散歩に行こうと言っている。

パルが甘ったれた声を出しているので、しょうがない、少し早いが散歩に出かけるとするか。

今夜は隅から隅まで晴れ渡って、まるで絵に描いたような「満天の星」だ。銀河の中心部の濃密に密集した星がすごい迫力だ。もちろん天の川も言葉にならないほど美しい。ハンドライトを消灯し進路をパルに任せて僕はほとんど真上を仰いで歩いていた。

お客様にこのこと知らせようと思ったのだけれど、みなさまも薄手に就寝体制に入っているようなので、遠慮した。残念なことだ、こんなきれいは星空はそうそう出会えるものではないからだ。月齢や時間や季節による星座の変化など、様々な要因がぴたりとシンクロしないとこうはならない。

まさに一期一会(いちごいちえ)だ。僕らとお客様との出会いもそれに似ていると感じている。そしてそのように感じるからこそ、その出会いを大切にしたいと考えている。「客として来たりて友として去る」という言葉があるが、僕の思い描くペンションという「場」はそのようなものだ。

実際にそのような関係になるお客様も多い。あくまで「お客様」なのだけれど、同時に「友」であるような関係。そうなったときにお客様にとってペンション・サンセットは良い意味で「異界」となるのだろう。日常の「演じざるを得ない自分」をはなれて「素の自分」に戻れる場所。

ペンション・サンセットはそのような場所でありたいと願い続けている。

2006年09月08日

3492 パルの術後経過

曇り 気温:最低 14℃/最高 19℃

実際の観測気温よりも、体感気温は高めの一日だった。これは湿度などの気象的要因によるものなのか、身体が秋めいた気候になじんだためなのかわからない。いずれにしても、日中は暑くは感じず、夜は以前より暖かく感じる。蓼科の山岳部では、森のそこここで赤いもの(紅葉)が見られるようになってきている。

さて、理屈っぽいことばかり書いていると嫌われるので(と言うのは嘘です)、違うことを書こうとするのだけれど、なかなか《無難な》話題がない。ブログみたいに社会的事件にコメントする形式ならかなり楽なのだけれど、それをやるつもりはあまりない。あれはあれで、トラックバックやら何やらがくるので大変気を使う作業なのでは無いかと思う。

あ、そうそう、愛犬のシベリアンハスキーのパル君が今日獣医さんでお尻にできた腫瘍の切除手術を受けた。とても健康で予防注射以外で獣医さんのお世話になったことなど無かったので、麻酔をする段になって彼はじたばたと抵抗して大変な騒ぎになった。身体が大きくて精悍な風貌のわりに子犬みたいな態度なので周囲のひとにしっかりと笑われた。まあ、それがパル君らしいところなのだけれど。

麻酔をかけるまで男性3人がかりで抑えて点滴用の針を刺したりして手術の準備を完了した。彼にしてみればそれはそれは恐ろしい体験だったに違いないが、手術をしないでほうっておくと大変なことになるのだから恨まれたとしても僕としてはしょうがないと思っている。おかげで、帰ってきてからどっと疲れが出て(何しろパル君がものすごい力で抵抗するものだから)、小一時間寝込んでしまった。

文字通り《家族》が手術を受けたわけだから、精神的にものすごく緊張状態にあったのがほっとしてとけたために急激に眠くなったのかも知れないとあとで思った。パル君のわが家における存在の大きさを改めて認識したしだい。もはや彼のいないわが家など考えられないのだ。

病理検査の結果待ちだけれど、おそらくは良性腫瘍とのことなので少し安心した。手術は問題なく終わり、お尻に長い縫合の跡が残った。麻酔から覚めたあと数時間は心ここにあらずと言った様子だったが、夜半には正気に戻っていつも通りのパル君になった。それでも僕が近づくと無理やり変なところにつれていかれてひどいことをされたとでも思っているのか、僕に対して警戒心を持っているのが感じられてちょっと寂しかった。

いまパル君は自分の犬舎にはいって、すやすやと眠っている。

これが今日のわが家のいちばん大きな出来事だった。

2006年09月10日

3494 死はつねに生とともにあり

晴れ 気温:最低 13℃/最高 20℃

今日は朝から快晴、気持ちのいい秋晴れになった。午後一時曇り空になったが、その後ふたたび空は晴れ渡り美しい月と星空を堪能できた。「天高く馬肥ゆ」とはよく言ったもので夜空もやはり秋にはずいぶん高く感じる。その空気感がたまらなく爽快だ。

ペンション村の《お散歩ひろば》に植えたたくさんのコスモスが満開になった。例年よりだいぶ遅い満開だけれど、柔らかな陽射しの元でそれが風に揺れる姿はこの上ない秋の景色になっている。

9月は命の季節が終焉を迎える時節だ。植物の生育が終わり、結実し、それを落としあるいは播種し、紅葉しやがて落葉を迎える。動物の世界でも緩やかな世代交代が進行する。森はゆっくりと静寂の世界へと変わってゆく。

今夜もとても静かだ。夜更けだからと言うことでは無く、一日中静かなのだ。活気がないと言うのとも異なる、野卑で無粋な人間がそれをぶち壊さない限り続く、永遠を思わせる静寂だ。僕の人生もいまはっきりと《秋》と言う季節へと移ろっているのが実感できる。だからとても親しみを持ってこの季節を迎えるようになった。

秋は生命の終焉の季節であると同時に、収穫、結実の季節でもある。生命のピークである夏と言う季節を終えて、実りの時を迎える。人生で言うならばじつは黄金期と言ってもいいのかも知れない。確実に死へと近づいたのは確かでもそれは自然の理(ことわり)、長い上り坂もゴールが見えてきたと言うことなのかも知れない。

死が恐ろしいのでは無い。死へのプロセスが恐ろしいのだ、少なくとも僕はそう思う。死はつねに生とともにあり、それはひとつのものなのだ。だから、動物たちのようにそれをあたりまえのこととして自然に受け入れることができるようになりたい。人間は動物たちのように《いまを生きる》ということができていないから、生(つまり人生の現実ね)も死(つまりゲームオーバーね)も受け入れることが困難なのかも知れない。

それはさておき、じつに動物の自然治癒力はすさまじいものがある。愛犬パル君(シベリアンハスキー)の手術跡はよく見ないとわからないほど治癒している。麻酔が醒めた日はもとより、翌日夕方までまったく痛がらなかった。

夕方になって多少違和感を訴えてお尻を気にし出したので、もらっておいた痛み止めの錠剤を与えると、再びまったく気にしなくなり今日に至っている。昨日からなにごとも無かったかのように元気に散歩に出かけている。

獣医さんから10日後の抜糸がひと騒ぎでですよと言われているので今から覚悟している。なんでもない手術準備処置であんなに大騒ぎしたから、そんなふうに思っているのだろう。確かにパル君はそういうところで臆病で大騒ぎすることが多い。人間の悪意にさらされた経験がまったくないので、とても甘えん坊なのだろう、たぶん。

とは言え彼の戦闘能力はドーベルマンを上回るから、我々家族以外は彼を自衛的戦闘モードにさせないように注意して接するようにしなければならない。そうしないとふだんのグータラしたなごみモードから一気に精悍なコンバットモードに変わるのだ。

僕はパル君がペンション・サンセットにやってきて以来12年間、じつに多くのことを彼から学んだ。彼と一緒に過ごす時間は、彼の時間が流れる。それはわれわれ人間の時間とは決定的に異なった時間の流れだ。その中で、僕は生命にとってとても大切なことを自然に学ぶことができたように思う。彼の一挙手一投足が自然からのメッセージのように感じられた

獣医さんからは年齢のわりにとても健康なのであと3年は確実にこのまま元気で過ごせるだろうと言われた、そもそもハスキー犬は長生きだから、と。あと何年、あとどれだけ、僕はパルから教えられる日々をともに過ごすことができるのだろう。それが永遠であればいいのに。

2006年09月25日

3509 今日はどうしてこんなに空気が冷たいのだろう

晴れ時々曇り一時強風 気温:最低 6℃/最高 15℃

朝起きたときには雲の中、お客様がご出発になる頃には青空を背景に美しい秋の雲が流れ、秋の陽射しがさんさんと降り注ぎ、午後には曇りがちになって強風が吹きすさんで木の葉が舞い、夕方には風が止んでふたたび晴れてきた。

気温は最低が6℃、最高が15℃たったが、夜は再び6度まで気温が下がった。愛犬パルと散歩に出たが、気温以上に寒く感じ、僕はTシャツの上に冬用のpatagonia(TM)のシェルド・シンチラジャケット(分厚いフリースの裏地のついた厚手ナイロンのジャンパー)を着込んで襟を立て、頭には厚手のフリースの帽子をかぶった。

そんな出で立ちで小走りでペンション村を一周した 8℃


11月にしては冷え込みが緩いように思われます。10年前だったら氷点下8℃なんて言う日が続いたものです。しかしさすがに朝晩はオーナーズルームでも断続的に暖房を入れるようになりました。その一方で「寒いの大歓迎」のシベリアンハスキーのパルはますます元気いっぱいです。早く雪が積もらないかなあと言うのが彼の願いでしょうね。

そんなに早く雪にこられたらこちらはたいへんなので、11月は来るべき冬との競争になります。冬支度とでも申しましょうか、雪が積もるまでにやっておかなければならないことがそれこそ頭が変になりそうなくらいたくさんあるのです。

まあそれはそれとして、紅葉の見頃は湖沼部では今週末が見納めになるかも知れません。来週はさらに標高を下げてe="2006-12-18T22:25:59+09:00" /> -->

3593 初吹雪

雪のち晴れ 気温:最低 - 9℃/最高 - 4℃

昨夜半から吹雪き始め朝まで強い雪が降りました。ペンション・サンセットの敷地で約8センチ〜10センチ程度積もりました。一面の銀世界です。いよいよ気分が出てきましたね、雪の季節、スノースポーツの季節です。ピラタス蓼科スノーリゾートのウェブマスターと連携しましたので、最新の写真をこの日記にも掲載できるようになりました。更新される度に掲載しますのでご参考に。また、本家のスキー場のサイトにも是非アクセスしてくださいね。

こんな風にたまに本来の気温になると、ううう〜さぶい。なにもかもがかちかちに凍っています。まあ、これが普通なんですけど、ははは。それにしてもシベリアンハスキーのパル君はもう元気元気で、目がランランと輝いて「やっと僕の季節がやってきた〜!」っていう感じで跳び回っています。

昨夜から年末年始のご予約が多くなってきました。お部屋はまだ余裕がございますが、予約が集中するとあっという間に埋まってしまいますので、ご予定がはっきりしているお客様はお早めにご予約いただけると幸いです。また、利用するスキー場が未定などでスキーパックにするかどうか迷っているお客様は、どうぞ「通常宿泊プラン」でご予約下さい。スキーパックなどのプランへの変更はいつでもOKです。

では、みなさまのお越しをお待ちしております。

一面の雪景色になっているので今年のホワイトクリスマスはとてもロマンチックなものになりそうです。ピラタスのロープウエー利用の4kmのロングダウンヒルコースも23日(土)にはオープンしますので、この日程はおすすめですよ。(^_^)b


※今日の写真は(株)ピラタス蓼科ロープウエイ の許諾を得て転載しています。

2007年04月13日

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2007年09月22日

3871 小理屈はやめておっとり生きる

晴れ 気温:最低 10℃/最高 18℃