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4398 ほの暗い森にて(1)


去年のちょうどいま時分

ぼくは

ある遊歩道を歩いた


とても寒い午後で

もう夕暮れ近い時間だった

郵便局に寄ったついでに

歩いてみたくなったのだ


短い遊歩道だったし

終点近くの滝の写真も撮りたかった

そもそもぼくは

この

ほの暗い時間帯に

写真を撮るのが大好きなのだ


森に入ると

もう一段階気温が下がったように

感じられた


吐く息が

エクトプラズマみたいに真白だった

いつの間にかカメラを持つ手が

かじかんでいた


遊歩道には

おびただしい量の落葉が

分厚い層をなしていた


その上を歩くと

ふわふわの

極彩色の絨毯のようだった


そして


落ち葉の発酵したかぐわしい香り


夕暮れ時の深い闇が

生命(いのち)を終えたものたちの

語り得ぬ想いのように

木々の葉を淡く光らせていた


これもまた

木漏れ日なのだ

晩秋の木漏れ日

ふと

そうつぶやいてみる


(つづく)


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2008年11月13日 23:27に投稿されたエントリーのページです。

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