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2007年11月 アーカイブ

2007年11月01日

4011 スティル・ライフ

曇りのち一時雨 気温:最低 1℃/最高 6℃

「ちなみに僕が抱く世界観は池澤夏樹の「スティル・ライフ」の冒頭の文章に的確に表現されている。長いので引用は避けるけれど、機会があったら是非一読することをおすすめする。」

と昨日僕は書いた。

しかしそれも大変だろうから、膨大な蔵書の中から(そうなのだ、僕の本とレコードのコレクションは膨大な量なのだ)「スティル・ライフ」をようやく探し出したので、冒頭の部分を引用しよう。


 この世界がきみのために存在すると思ってはいけない。世界はきみを入れる容器ではない。
 世界ときみは、二本の木が並んで立つように、どちらも寄りかかることなく、それぞれまっすぐに立っている。
 きみは自分のそばに世界という立派な木があることを知っている。それを喜んでいる。世界の方はあまりきみのことを考えていないかも知れない。

 でも、外に立つ世界とは別に、きみの中にも、一つの世界がある。きみは自分の内部の広大な薄明の世界を想像してみることができる。きみの意識は二つの世界の境界の上にいる。

 大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和を図ることだ。
 たとえば、星を見るとかして。

 二つの世界の呼応と調和がうまくいっていると、毎日を過ごすのはずっと楽になる。心の力をよけいなことに使う必要がなくなる。
 水の味がわかり、人を怒らせることが少なくなる。
 星を正しく見るのはむずかしいが、上手になればそれだけの効果が上がるだろう。
 星ではなく、せせらぎや、セミ時雨でもいいのだけれども。


これは僕が長年の瞑想体験によって見ることのできるようになった世界をじつに的確に記述した文章だ。空気が平地にくらべて20%も薄く、清涼な大気と静寂に抱かれた蓼科は、瞑想者にとっては最適な環境だと言える。僕の瞑想体験は飛躍的に進んだ。

僕の「静かな生活(スティル・ライフ)」は続く・・・のだろうか。

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朝から曇っていたが、予報とは異なってつい先ほどから小雨が降り始めている。予報では明日以降は天気は回復して、週末は両日とも晴れの予報となっている。紅葉の盛りの蓼科は文字通り極彩色で、蓼科湖畔の450ほんのソメイヨシノの真っ赤な紅葉は目を見張るばかりだ。

国道299号線を登った横谷観音展望台からの王滝と色とりどりの横谷峡の眺めは最高潮を迎えているので、是非お勧めしたい。>>写真


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2007年11月02日

4012 テラス補修中(明日午前中に完了)

曇り時々晴れ 気温:最低 2℃/最高 8℃

ここ数日夜から夜明けにかけての冷え込みがぐっと強くなってきています。ラウンジの窓外の景色は秋の深まりを実感させるものに変化しました。空は抜けるように青く、山や森は、シラビソの緑や紅葉したカラマツの褐色を基調として、落葉した白樺の骨のような白色、紅葉の赤、黄をちりばめた美しい眺めです。

蓼科山は夏よりも遙かに近くに見えるようになり、覆い被さらんばかりに力強く美しい山容を見せています。遠くの山々も空気が澄み切っている分、ずいぶん間近に見えるようになりました。空の雲は秋雲、それがゆったりと流れゆく様はじつに気持ちを落ち着けてくれるものです。

ピラタスの丘の紅葉のピークはもう過ぎていますが、ほんの少し標高を下ればそこはまさに紅葉の盛りですから、ご心配なく。ビーナスラインを走ればどこもかしこも極彩色の紅葉ロードになっていて感激することと思います。今週末は国道299号沿いの「横谷観音展望台」からの眺めがおすすめです。

きのうから大工さんに入ってもらってテラスの補修を行っています。2代目のテラスなのですが、やはりかなり痛んでいました。構造体そのものは全然痛みがないのですが、1年の半分近くの間雪や氷を載せることになる床板やそれを支える根太(ねた)がすっかりダメになっているところが多々ありました。

やはりこの地の自然はとてもとても厳しいのですね。積雪前に点検補修が間に合って良かったです。


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2007年11月03日

4013 赤、黄、緑の織りなすタペストリー

晴れ 気温:最低 -3℃/最高 6℃

今朝はかなり冷え込んでテラスに降りた夜露が薄氷になっていました。秋も深まりました。気温だけ観ると「真冬じゃん」と思われるかもしれないけれど、ここの真冬は氷点下20℃の世界ですから?。

ということで、テラスから眺める景色は秋そのものです。蓼科の紅葉の季節独特の「錦秋(きんしゅう)です。赤、黄、緑の織りなすタペストリー(つづれおり)になっています。うちのシンボルツリーの白樺の木もすっかり葉を落として、周囲のミズナラやコナラも落葉を終えようとしています。

落葉松も褐色に紅葉して落葉が始まりました。

でも、それはこのあたりだけのことで、100mほど標高が低いところに下れば、そこは紅葉の真っ盛りなのです。蓼科高原、とりわけビーナスラインからの眺めは極彩色の紅葉の世界になっています。

その一方で、隣接するピラタス蓼科スノーリゾート(スキー場)は12月1日(土)にオープン予定です。初滑りには最適の立地と、初滑りとは思えないほどの雪質の良さがウリです。僕らもそろそろスタッドレスタイヤに履き替える準備をしておかなくてはいけませんね。

スタッドレスタイヤでなければダメになるのは平年なら12月に入ってからになるのですが、深夜早朝の万一の路面凍結に備えて僕らは早めにスタッドレスタイヤに履き替えるのです。そのような時間帯に走らないのならば、まだ雪や氷の心配はありません。乾燥路面ですから。

いずれにしても天候や気温に注意深くあれば、スリップ事故に遭う確率は格段に低くなります。まあ、個人的な経験では日中走っている限りは11月にスリップ事故に遭うことはありません。異例の天候で路面に雪でも積もればそれは別の話ですけれど。

ビーナスラインに積雪が見られるのは近年の暖冬化でずいぶん遅くなってきました。しかし12月に入たら、一時的に積もってすぐ蒸発してしまう淡雪であるにせよ、積もっているところはやっぱり滑るので、先に進むのをやめてすぐに引き返すのが鉄則です。そうすれば積雪のない区間に戻ることができます。

というようなわけで、蓼科高原はまだまだ「紅葉の秋」が続いています。平年に比べると気温も高めで快適です。ビーナスラインも国道299号線も日中走る限りは雪などの心配もなくすこぶる安全に走行できます。ドライブには最適な気候がまだ続いています。

見どころは299号線を上った「横谷観音展望台」からの紅葉の横谷渓谷と滝の美しい景色です。蓼科湖のソメイヨシノの真っ赤な紅葉も、平野部ではまず見られないもので、これには感激すると思います。なにしろ400本以上の桜の木が真っ赤な紅葉になっているのですから。


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2007年11月04日

4014 紅葉の横谷観音展望台

晴れ 気温:最低 - 4℃/最高 7℃

紅葉真っ盛りの「横谷観音展望台(よこやかんのんてんぼうだい)」に行ってきました。横谷渓谷(よこやけいこく)とその彼方の南アルプスを一望にできる絶景ポイントです。一番手前左にあの「王滝(おうたき)」を見下ろし、視線を上げるにつれて渓谷をなす両側の山並みが「つづれ織り」のような美しい紅葉とともに視界にはいってきます。

夕方行ったのですが、まだたくさんの観光のお客様がいらして、「うわ?すごい!これが観たかったんだ、ほら観てご覧早く早く!」と盛んに歓声を上げながらたくさんの記念写真を撮っていらっしゃいました。本当にその通りなのです。

美しい景色はひとを和ませ朗らかに親密にするのですね。そこに居合わせた全員が心をひとつにしたのでした。これも観音様のお計らいなのでしょうか。


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2007年11月05日

4015 水辺の絵画(蓼科湖の紅葉)

晴れ 気温:最低 - 1℃/最高 9℃

蓼科湖はとても小さな湖なのですが、個人的には蓼科高原のの3つの湖(蓼科湖、白樺湖、女神湖)のなかでもっとも美しい景色を見せてくれる湖だと思っています。今日の写真がその証拠です。

私は写真愛好家(=本格的な写真を撮る技術と経験を持った人)ではないので、ただ感じたままにレンズを向けてシャッターを切っているだけなのですが、それでもきれいでしょ?

技術的には見るべきものなど無い写真なのですが、私の感動は多少なりともお伝えできるのではないかと思っています。

それにつけても「景色」とは「そこにある」ものではなく、「発見」するものなのだと、あらためて感じ入る秋です。


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4016 天の造形、地の色彩

雨のち晴れ 気温:最低 2℃/最高 10℃

天の造形。蓼科を訪れたら、是非、空を「鑑賞」してください。蓼科の空は神々のキャンバスです。刻々と変化するその絵画は一期一会の作品にちがいありません。

地の色彩。蓼科にいらしたら写真を撮る前に、まずその風景を心に映してみてください。四季それぞれに絶妙な階調で変化を見せる自然の色彩。それを鑑賞するためには、サングラスをお使いになることをおすすめします。山では光線の青味がとても強いので裸眼では色が褪せて見えてしまうからです。


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2007年11月07日

4017 大滝遊歩道(蓼科・プール平)

晴れ 気温:最低 0℃/最高 7℃

プール平(ぷーるだいら)の蓼科郵便局脇から大滝(おおたき)に向かう遊歩道に入る。プール平の広大な駐車場を右に見ながら渓谷へと歩みを進める。2軒ほどの別荘をやりすごすと、そこはもう「秘境」と言っていい世界だった。

色とりどりの落葉がふかふかの絨緞となって地表を覆い尽くしている。夕方の遊歩道はほの暗く、そして色鮮やかだ。斜面や舗道には濃緑のコケに覆われた大小の岩がまるで誰かがレイアウトしたみたいにきちんと整列している。

大岩を抱くようにして立ち、のたうち回るように光を求めて伸び上がる赤松の巨木。倒木からそびえ立つ落葉松。雨上がりの遊歩道にはそれらの樹木の根が露出していて驚くほど滑る。注意深く歩みを進める。渓流の音がどんどん大きく聞こえるようになってくる。ここはまさに「異界」だ。

案内板では徒歩7分となっていたけれど、写真を撮りながらということもあって、もうずいぶん長い時間歩いているような気がする。途中、いくつかの分岐点があるが、案内板が整備されているので迷うことはない。蓼科湖に向かう小径、親湯方面に向かう小径などなど。しかし、まっすぐに大滝へと向かう。

急に湿度が高く、寒くなる。吐く息が真っ白だ。僕らは森の奥深く、道無き道を歩くことに慣れているから平気だけれど、そうでなければ雨上がりの夕暮れ時に歩く道ではないのかもしれない。丸太で土留めした階段は、よく見るとコンクリート製の丸太であることに気づく。そのことからも、じつによく手入れされた遊歩道であることを知る。

上を見上げればそこには美しい紅葉がある。空はまだ明るく、その光を透過する樹木の葉はとても幻想的な照明となっている。渓流の向こうの森もすっかり紅葉に覆われている。右手は石積みしたように苔むした岩が積み上がって露出している斜面だ。左手にはまだ見えないけれど確かに渓流がある。

やがて、遊歩道の階段にも苔むした濃緑色の岩が散在するようになる。しだいに水音が大きくなることから大滝が近いことを知る。途中左手に丸太を並べた橋を発見するが、向こう岸には渡れない。その橋を渡るといったいどこに行くことができるのだろう。その橋からはそもそも向こう岸に渡ろうという意志を感じることができない。

まるで誰かの夢の中にいるみたいだ、と思い始める。この世界はじつに不安定で脈絡も無く、現実世界としての整合性を欠いているように感じられる。変幻自在で、明確な意図もない。これは僕自身の夢なのかもしれない。

やがて八角形の洋風の東屋がこの道の終わりを告げる。その向こうに目的地の大滝が姿を現す。美しい風景だ。水音も涼やかで流れは澄み切っている。ここには邪気というものが感じられない。おそらく、明るい朝日の中でもう一度この道を歩いたなら、こんな奇妙な印象を持つことはなかったのだろう。

よく眠ることのできた朝のさわやかな目覚めのように、単純に、明るく美しい遊歩道。誰かさんの爽快な目覚め、といった印象を持ったに違いない。じっさいに、そうなのだと思う。この遊歩道はそのように光と癒しに満ちた世界なのだ、本来は。

しかし夕暮れ時の森はじつに様々なものが跋扈する世界なのだ、たぶん。それは都会でも同じだと思うけれど。このような時間帯には夕陽以外にカメラを向けるべきではないのだ。そのひとの心のありように応じて、じつに様々なものが写り込んでしまう。

僕の写した写真も例外ではなかった。それらは僕にしか見えないものだけれど、たしかに写り込んでいた。だからここに載せるわけにはいかない。じっくり見て確認した上で、すべての写真を削除した。自分の心のかたちを、その有り様をウェブに公開するわけにはいかない。記録として残しておく気にもならない。

しかし誤解してはいけない。それを写し込んだのは、僕の心の働きであって、カメラのレンズではない。それは客観的な事実ではなく、実在するものでもない。あえて言うならば、ある種の「夢」がメタファーとして形をなして現れたに過ぎない。心の認識の仕組みがメタファーの質を決定するのであって、その逆ではない。

ア・リトル・スリラー。

★★★

念のため、書いておいた方がよいと思うけれど、これは僕のきわめて個人的な体験に基づくフィクションであって、「蓼科奇譚」というようなものではない。

大滝遊歩道は蓼科の住民にもこよなく愛されている、じつに美しく清涼な遊歩道である。蓼科の人々の愛情のこもった手入れによって維持されている思索的散歩道といえるかもしれない。蓼科を訪れたならば、是非一度は歩いてみていただきたい。

2007年11月08日

4018 ピラタス蓼科は12月1日(土)オープン予定

晴れ 気温:最低 - 2℃/最高 6℃

まだ紅葉

今日は秋晴れ、空はどこまでも高く、大気は信じられないほど透明で、降り注ぐ陽光は限りなく優しく感じられます。ピラタスの丘の紅葉は有終の美を迎えていますが、蓼科高原全体としてはいつになく紅葉が目を楽しませてくれています。

特徴的なのは文字通り真っ赤に紅葉する桜の木と、灌木であるドウダンツツジの赤い色彩です。また、カラマツも黄葉(おうよう)から紅葉(こうよう)へと変化しています。カラマツの紅葉も見頃を迎えました。カラマツの森の紅葉はじつに美しいものです。

樹木が葉を落としてすっかり見通しが良くなった森では、さまざまな野生動物の姿を見ることができるようになりました。日本鹿、キツネ、タヌキ、リスなどなど、その数は僕らが飼っている犬たちよりもはるかに多いのです。

眺望も夏とはまったく異なったものになっています。視界を遮っていた森がその存在感を減じるにしたがって、遠い山並みも直近の山々もはっきりとその姿を現しました。林立するカラマツを透かしてみる月はなんとも言えない風情があります。

もうすぐ、スキー

ピラタス蓼科ロープウエイは定期点検のため、11月8日(木)〜11月22日(木)の期間運休します。

ピラタス蓼科スノーリゾートは12月1日(土)オープン予定です。(これまでの例だと、オープン時でもクワッドリフトを利用した白樺コース1000mの滑走が可能です。)

詳しくは http://www.pilatus.jp ご覧下さい。

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2007年11月09日

4019 この気配、静寂を求めて

晴れ 気温:最低 - 3℃/最高 6℃

テレビもラジカセもスイッチを切って、しんとした森に耳を傾ける。耳の奥からキーンという音が聞こえ、自分の呼吸する音だけがやけに大きい。今日は風の音もない、雨の音もない。さらさらと降りしきるカラマツの落葉だけがかすかな気配を感じさせるだけだ。

この気配、静寂を求めて、僕はここにやってきたのかも知れない。

機械式スイッチを使ったキーボードをタイプするカタカタという音だけが室内に響き渡る。この静けさの中にあっては、それは「轟音」にひとしい。すごい世界だ。自然の中で暮らすことの至福はこんなところにもあるのかな?。

この季節には凛とした大気の中、静まりかえった落葉松林を歩くのが最高です。


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