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3995 そぞろ寒い時代

晴れ 気温:最低 4℃/最高 8℃

「そぞろ寒(そぞろさむ)」というのだそうだ。

秋が深まりしんしんと冷える夜には、実際以上に寒さを感じる。

しかし同時に、秋は「柔らかな季節」だ。

少なくとも僕にとっては、現実の肌触りも心が感じるそれもとても柔らかな季節なのだ。

ぐんと湿度が下がり、さらっとした冷たい風が森を吹き抜ける。

その感触は優しい。

鋭利な刃物のような「木枯らし」とはまったく別物だ。

はらはらと舞う落葉もまた疲れた心を慰撫する。

秋は癒しの季節なのだ。

同時に人生の終わりを見通すにも最適の季節かもしれない。

少なくとも僕にとってはそうだ。

良く生きることは良く死ぬことだから。

そのことにゆったりと想いを巡らす深夜。

若い人には永遠の未来のことに思えるだろう。

きみたちにとってはなにかを終わらせてなにかを始める季節なのかも知れない。

たとえば夏の恋の終わり。

小泉政権以来世の中は「わかりやすさ」がすべてになってしまった。

劇場的であり、かつ、わかりやすいこと。

しかしそのような「わかりやすさ」がもたらすのは、
奥行きや深みのないコミュニケーションなのだ。

中身がないからこそ、「わかった」ような気がするのだ。

だからこそわかりやすいと感じる。

真実は単純だがわかりにくいものだ。

真理はシンプルだけれどほとんど理解不能なのだ。

だからひとは容易に悟りを開けない。

皮肉なことに、わかりやすさの欺瞞生を暴くためには、
「わかりやすさ」のトリックを使わなければならない。

そんな時代になってしまった。

レトリックではなく、トリックを使う。

ほんとうに、皮肉なことだ。

そぞろ寒い時代になってしまった。


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2007年10月16日 23:50に投稿されたエントリーのページです。

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