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3739 野生の鹿の脅威・猛威(美しい生き物なのだけれど)

晴れ 気温:最低 1℃/最高 15℃

朝から快晴でしたが、春霞のようにもやっとした大気は雪解けの水分がまだ充分蒸発していないことの現れのようです。かといって湿度が高いわけではなく、反対にからっとしています。蓼科の特徴として年間を通じて湿度が低いということが挙げられるほどですから。

諏訪地方はあの満々と水をたたえた諏訪湖畔ですら、朝日が昇ったとたんに真夏でも湿度35%になってしまうほどです。蓼科も同様で、真夏でも湿度は30%台なのです。最高気温も東京で40℃を越えているその同じ時間に22℃ほどしかないのです。

森も日に日にその色を新緑に染めつつあります。しかし、去年までと決定的に異なるのは、僕らはもはやイノセントに「野生の鹿はかわいい」などといっていられなくなったことです。もちろん、野生動物との出会いは理屈抜きに感動的です、そのことは変わりません。

が、ここまで危険が増し、食害によって貴重な森林や山野草や草原が致命的打撃を受け始めたいま、こころを鎮めて冷静に鹿たちの生態を観察し、心を鬼にしてでも取るべき対策を実行に移さなければならないと決意するのです。

今日の2枚の写真はペンション・サンセットのすぐ隣りの森の樹木ですが、鹿が届く範囲の樹皮がきれいに食べられてしまっています。この樹皮は再生しません。この「傷」によってこの木は早晩立ち枯れし、数年のうちに風倒木となります。このような状態にされた樹木が1ヘクタール(100m×100m四方)に20本ほど在り、それは全体の20%異常に当たります。

その結果がどのような事態を招くかはここのとことこの日記でも繰り返し書いてきたので今日は書きませんが、これは甚大な自然破壊、環境破壊につながるゆゆしき事態なのです。これは動物愛護の精神の本来の姿ではなく、その原理主義的側面に対策をはばかってきた行政の失策といっても良いでしょう。これは動物過保護による生態系の破壊現象です。

日が暮れた後から未明にかけて、夜行性の鹿が群れをなして悠然と道を渡る姿に驚かされることは、いまではめずらしくなくなりました。長年にわたって天敵が無く、人間たちには脅されるどころか手厚く遇されてきたかれらはなにも畏れるものはなく、車がはねそうになって急ブレーキを踏んで止まっても、悠然と、ガンをつけるかのようにこちらをにらみつけて立ち止まります。

もちろん、彼らにはヘッドライトに照らされるとフリーズしてしまうという習性があるのですが、昨日の夜僕が遭遇した鹿は、そうではなかった。ヘッドライトを消してクラクションで注意を促しても、まるでガンをつけるかのようにこちらをにらみ返して、これじゃいまはやりの「上から目線じゃん」って感じだったのです。これには唖然としましたね。日光の猿たちと同じじゃないですか。

全国で鹿の過剰増殖は加速しているそうで、いますぐ手を打ってもすでに手遅れかも知れないと専門家は口をそろえます。これは「野生鹿による自然破壊、環境破壊、生態系破壊」なのです。動物愛護団体の協力と理解も得て、協調体制で適切な対策が急がれます。ここに住んでいると、実際問題としての危機感を自然に抱くようになります。それほど被害は甚大で、鹿の振る舞いは傍若無人になってきているのです。

ということで、蓼科とりわけピラタスの丘を訪れるお客様と野生の鹿との邂逅(かいこう)の機会も以前とは比べものにならないほど高確率になっています。出合えばそれは感動しますよ、いろんな問題なんて忘れて。

でもそのときの感動を大切にしつつも、いまここで起きている現実もまた頭の片隅に置いて機会あれば考えていただければさいわいです。


※写真をクリックすると拡大されますので是非大きな画像でじっくり鑑賞してください。

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2007年05月13日 22:03に投稿されたエントリーのページです。

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