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3668 あらゆる知覚とはすでに記憶なのだ

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ペンション・サンセットはいったいどこに向かっているのだろう。僕がこんなことを言っていてはいけないのだけれど、激動の時代にあってときにはすっかり迷ってしまうことがある。自分はいったいどこに向かおうとしているのだろう、その方向は時代性にマッチした方向なのだろうか。

「時代性」がキーワードになって久しいけれど、いまやそれは「消費者心理」あるいは「世論」と言い換えてもいいだろう。古き良き時代には、自身の信じる道を真摯(しんし)に歩んでいれば、そしてそれを正しく伝えることができればビジネスは高い確率で成功したように思う。

しかしいまはまったく事情が異なっている。

「それだけ」ではダメなのだ、そして「そうでなくても」成功できるのだ。いまや「自身の信じる道を真摯に歩む」ことはビジネス上の障害になりこそすれ、そんなものは捨て去るべき「つまらないプライド」として語られるようになってしまった観がある。

自分の仕事に「個人的」な、あるいは「ひとりの人間として」の、プライドなんて持っていたらビジネスは成立しないのだ。ビジネスにはビジネスの倫理とプライドがあるのだ。それは人間性とはまったくかかわりないところで動いていく。その意味においてビジネスマンは、あるいは商人(あきんど)は、「公人」であって「個人」ではないのだ、またそうであってはならない。


過ぎ去ってみれば古き良き時代はもう戻っては来ないだろう。それにしても、ビートルズの歌声を聴いているだけで、この世界はまだ人類が未来に夢を抱くことができた時代のように感じさせてくれる。眼前には展望が開けあらゆる可能性がその扉を大きく開いて待ち受けているように見える。そんな時代に自分がまだいるような気分にさせてくれる。

「純粋な現在とは、未来を喰っていく過去の捉えがたい進行である。実を言えば、あらゆる知覚とはすでに記憶なのだ。」=物質と記憶(アンリ・ベルグソン)

もうあともどりすることはあり得ない、われわれは観念としてすら「あの楽園」に戻ることはできない。それはもうすでに終わってしまったことなのだ。


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2007年03月03日 23:20に投稿されたエントリーのページです。

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