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3634 変わっていく日々

晴れ 気温:最低 - 8℃/最高 - 4℃

まず写真を選ぶ、それから構成を考えて、しかるのちに初めて文章を書き始める。蓼科高原日記をブログ・システムに載せるようになってからの作法だ。以前は、つまりHTMLで書いていたときには、テキストエディタでいきなり書き進めて、ほとんど写真は使わなかった。だから写真と文章や思考とのインタラクションはほとんど無かったと言っていい。

おおむね三行で一段落、それを4回繰り返して、16小節ワン・コーラスって感じだった。ブルースコードを奏でるベースラインに乗って書くって感覚だった。そこには内面的な映像しかない。具象はなく、抽象や形而上の世界しかなかった。ある意味純粋に内省的で自己完結的な気分に浸ることが出来た。ぼくの描く蓼科は、ぼくの内なる蓼科だった。しかし今はちょっと違ってきているように思う。

写真も同様にぼくの内なる蓼科の映像を写真というかたちで実体化させる試みだった。ちょっと大げさな表現だけれど、可能な限り正確に言葉にしようとするとそんな気障(きざ)な言い回しになってしまう。いつ頃からいつ頃がそのような時期だったのか今は思い出せないけれど、そんな幸福な数年間があった。そして今はそうではないというのも、また事実だ。蓼科高原日記の1998年から2003年頃あたりのバックナンバーを読むとそんな空気感があるかも知れない。

そんな想いとは関係なく雪は降り、雪は積もる。ずんずん積もる。今年は数年ぶりに降雪量の多い冬だ。ゲレンデの積雪量も平年より多く、雪質も数年に一度という最高のパウダーコンディションになっている。

今日も3時間かけてふたりがかりで除雪作業にいそしんだ。いわゆる「乾雪」なのでさらさらふわふわで腰に負担がかからず、除雪機で飛ばすのも効率的だ。風があると飛ばした雪が全部吹き戻されてしまうのでまったく使い物にならないのが除雪機の欠点なのだけれど、さいわい今日は微風だった。

夜間に雪が大量に降って、早朝から晴れた朝は最高の気分になる。これはじっさいに体験してみなければわからない感覚かも知れない。雪かきは大変なので気が重くないといったら嘘になるけれど、真っ白な朝の陽光に輝く雪はまるで砂漠のように見える。本物の砂漠よりもおりこうさんな砂漠だ。雪まみれと砂まみれとどっちが良いかと迫られたら、絶対雪まみれのほうがいい。なにを奇妙な比較をしているのだろう。

400ccの排気量の強力な除雪機で積もったばかりのパウダースノーを飛ばすのはけっこう快感だ。同時に、見た目ほど楽な作業ではない。ここはかなりな傾斜地だし、雪の下には岩や太い木の枝が潜んでいて、長年の勘でそれを噛み込まないように事前に除雪羽(オーガ)を引き上げてやらなければならない。また、うっかり深雪にはまろうものなら、200kg以上ある除雪機をひとりで引っ張り上げなくてはならない。そう、ここではなんでもひとりでかたを付けるのだ。どうにもならないときは、もちろん助け合うけれど。

そんなこんなで13年の時が経過してしまった。ぼくは多少なりとも自立した人間になれたのだろうか。それともこれは単なる隠遁生活(いんとんせいかつ)に過ぎなかったのだろうか。

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2007年01月28日 22:40に投稿されたエントリーのページです。

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