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3483 野生の鹿と蓼科と

曇りのち晴れ 気温:最低 14℃/最高 17℃


夕暮れ後に買い物から戻ってきたが、最近はヘッドライトに加えてフォグランプを点灯するようになった。フォグランプは低く広い照射角を持っているので路肩がよく見えるからだ。というのも山岳部の道路ではいまが最もよく野生の鹿が出没する時間帯だからだ。

はっと気づくと路肩に大きな牡鹿がぬぅーっと佇んでいたりして、これまでも何度も驚かされた。ぶつかったらこちらもただではすまない。リスやタヌキのようにクルマの直前を突然横切ったりはしないが、これはこれでとても危険なことなのだ。

ということで、最近のピラタスの丘では多くのお客様が時間帯を問わず野生の鹿と遭遇する機会が増えている。野生動物との出会いは理屈抜きで感動的だ。が、決して餌を与えてはいけない。その行為そのものが彼らを滅ぼすことになるからだ。

食生活を変化させ、生活圏が変わり、自然の中で生きていく力が失われていく。それでなくても食害被害は甚大で、いまでもすでに鹿は害獣駆除の対象となっているのだ。餌を与えることは直接的に彼らを追いつめることになるということを是非理解して欲しい。

それはさておき、この夏のたくさんのお客様でにぎわった蓼科もいまはすっかり落ち着きを取り戻し、静寂に満ちた晩夏を迎えている。手付かずの自然の中で、じっくりと静寂と対話するのもまたおつなものだ。それは自分自身との対話でもあるだろう。

蓼科のこの季節はなぜかとてもセンチメンタルな風情で、僕はとても好き。ペンション・サンセットを開業することなんてまったく考えていなかった頃から(想像すらできなかった頃から)、好んでこの季節に蓼科を訪れていたのを思い出す。

ピラタスの丘ももはや気温が20℃を越えることはまれになり、最低気温もどんどん下がってきている。9月にはいれば朝10℃を切る日も多くなりそうだ。空は澄み渡り、美しい形の雲が油彩のような絵を描いて見せてくれる季節になる。

大気が限りなく透明になって、くっきりとした輪郭の風景がその鮮明さゆえにむしろ非現実的に見えてくる季節でもある。晴天率も夏より格段に高まり、展望が開ける。当然夜空は満天の星に彩られ、りんとした大気のもと「星を見るひと(stargazer)」の季節到来だ。

限りない静寂の中でうまい空気をたらふく吸って、ただぼーっと物思いにふけるには9月の蓼科が最適だと僕は思っている。いずれにしても9月の蓼科では空を眺めるのが吉。何しろ僕自身がそういうひとで、毎年そのように過ごしているのだから間違いない。信用していいと思うよ。

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2006年08月30日 23:46に投稿されたエントリーのページです。

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